爬虫類用品メーカー「両爬工房」の山田です。プロの立場からこの記事を解説します。
「レオパがシェルターから出てこない!その原因は?」「どうやって対処すればいいの?」といったお悩みに、わかりやすくお答えします。
レオパが出てこない原因は、いくつかあります。命に関わる原因もあるので、早急に確認してください。そして、それぞれの原因に合った対処法を実施しましょう。
記事前半では「レオパがシェルターから出てこない理由」について解説します。後半には、おすすめ対策グッズ「レオパ専用の遊び場」も紹介します。
レオパが出てこなくてお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。
爬虫類の飼育用品メーカー『両爬工房』代表
Kanta
かんた
爬虫類を含めた動物の飼育歴23年。自分でも爬虫類を飼いながら、飼育用品メーカー『両爬工房』代表として、爬虫類シェルターなどを開発・販売している。ものづくりのモットーは「ユニークで良いものを」。好きな食べ物は、ティラミスとスタバのフラペチーノ。好きなアーティストは、優里と菅田将暉。
レオパがずっとシェルターから出てこない原因は?
レオパがずっとシェルターから出てこない原因は、いくつか考えられます。それぞれの原因について解説するので、あなたが当てはまっているか、確認してください。
- 病気や怪我で体調が悪い
- ケージ内の温度が高すぎる
- 周囲の外敵から逃げたい
- 夜動き回りすぎて疲れた
- 休息以外にやることがない
病気や怪我で体調が悪い
レオパがシェルターから出てこない主な理由の一つは、病気や怪我かもしれません。体調が悪いと、レオパは安全な場所で静かに過ごしたがります。
もしレオパがいつもと違う様子で、活動量が少なくなったり、食欲がなくなったりしている場合は、病院で診てもらいましょう。
早めに対処することで、ひどくなる前に治療ができます。安全で快適な環境を整えてあげることが、レオパの健康を守るために大切です。
ケージ内の温度が高すぎる
レオパがシェルターから出てこないもう一つの理由は、ケージ内の温度が高すぎることです。レオパは熱すぎる環境を避け、涼しい場所を好みます。
特に夏場、ケージが直射日光の下にあると、温度が急上昇しやすくなります。これにより、レオパはシェルターに逃げ込み、活動を控えるようになります。
適切な温度管理はレオパの健康にとって非常に重要です。ケージ内の温度を定期的にチェックし、必要に応じて調整してあげましょう。
周囲の外敵から逃げたい
レオパがシェルターを好む理由の一つに、外敵から身を守る本能があります。自然界では、小さな音や動きも危険のサインと感じるため、安全を求めて隠れることが多いです。
家の中でも、大きな音や急な動き、他のペットが近づくと、レオパは脅威を感じてシェルターに隠れることがあります。特に飼い主が何度も「出てこないなあ?」と覗いていると、なおさら緊張してしまいます。
静かで落ち着いた場所にケージを置き、不必要に動かしたり、大きな音を出すことがないようにしましょう。レオパが安全と感じる環境を整えることで、シェルターから出て活動する時間が増えるはずです。
夜動き回りすぎて疲れた
レオパードゲッコーは夜行性ですから、夜になると活動が盛んになります。夜間にケージ内を動き回ることで、昼間は疲れてしまってよく休みます。
これが、昼間にシェルターからなかなか出てこない理由の一つです。だから意外と心配する必要がなかった場合もあります(病気や高温のケースもあるので、見極めは難しいです)。
ケージ内には適切な登り木や障害物を設置し、夜間でも安心して動ける空間を作りましょう。また、昼間は静かにして、レオパがゆっくり休めるようにしてあげましょう。
休息以外にやることがない
レオパがシェルターから出てこない一因は、ケージ内に刺激が少ないことかもしれません。登り木や隠れ家など、遊び場がなく、立体的な活動ができる場所が不足していると、レオパは動くことに興味を失います。
これにより、ほとんどの時間をシェルターで休んで過ごすようになります。ケージ内に多様な遊び道具を設置することで、レオパの好奇心を刺激し、積極的に活動するきっかけを与えましょう。
適切な遊び場を整えてあげれば、レオパが楽しく過ごせるだけでなく、飼い主であるあなた自身も飼育がもっと楽しくなります。遊び場の設置は、ぜひ検討してください。
レオパがずっと出てこないときのNG対処法
レオパがずっと出てこないときのNG対処法をご紹介します。「出てこない!どうしよう…」と焦っていても、これらの行為はレオパの寿命を縮める恐れがあるのでやめましょう。
- 無理やり引っ張り出す
- シェルターを取り除く
- 意味なく何度も触れる
無理やり引っ張り出す
レオパがシェルターに隠れているとき、無理に引っ張り出すのはNGです。この行動はレオパに大きなストレスを与え、信頼関係を損ねる原因になります。
また、怪我をさせてしまうリスクもあります。レオパが自分から出てくるのを待つことが大切です。もし心配な点があれば、まずはその行動の原因を穏やかに観察しましょう。
環境を見直して、レオパが安心して活動できるように配慮することが、ストレスなく接する秘訣です。
シェルターを取り除く
レオパがシェルターにこもることが多いとき、それを取り除くのは良くありません。シェルターはレオパにとって安全な隠れ家であり、ストレスから身を守る重要な場所です。
シェルターを急に取り去ると、レオパは不安を感じ、ストレスが増大することがあります。レオパの行動に変化が見られる場合は、環境や温度など他の要因を先にチェックしましょう。
レオパが安心して生活できるよう、常に快適な隠れ場所を与えられるよう、改善を繰り返してください。個体差も大きいので、一概に「レオパにはこれがいい!」と決められるものではありません。
意味なく何度も触れる
レオパがシェルターに引きこもっている時、何度も触れるのは避けましょう。頻繁に触られることは、レオパにとって大きなストレスとなります。
彼らは静かに単独で過ごすことを好む生き物で、過度の接触は不快感を与える可能性があります。もしレオパの様子を確認したい場合は、ゆっくりと見守ることが重要です。
安心できる環境を保つためにも、不必要な触り方は控え、彼らのペースに合わせて接するようにしましょう。これがレオパとの信頼関係を築く上での鍵です。
ただし、病気や怪我がないかは確認する必要があります。絶対に触ってはいけない、というわけでなく「必要以上に触ったり手に乗せたりはしない」ということです。
レオパがシェルターから出てこないときの正しい対処法
レオパがシェルターから出てこないときの正しい対処法について、解説していきます。先ほど紹介した原因に合った対処法を選んで、試してみてください。
- 病気や怪我なら病院へ行こう
- ケージ内の温度を見直そう
- 静かな場所に移動させよう
- 夜間の行動も確認しよう
- 専用の遊び場を設置しよう
病気や怪我なら病院へ行こう
レオパがいつもと違う様子でシェルターから出てこない場合は、病気や怪我の可能性があります。特に食欲がない、動きが鈍い、見た目に異常があるなどの症状が見られたら、すぐに獣医師の診察を受けましょう。
早期発見、早期治療がレオパの健康を守る鍵です。病院を訪れる際は、レオパを安全に運べるよう、適切なキャリーケースを用意してください。専門の獣医師に相談することで、適切な治療を受けることができます。
ケージ内の温度を見直そう
レオパがシェルターから出てこない時、ケージ内の温度が適切か確認しましょう。
まず、定期的にケージの温度を測定します。特に、ケージの暑い部分と涼しい部分の2カ所で測ることが大切です。極端に暑い、または寒いところがないか確認しましょう。
また、自分が外出している間や就寝中の温度もチェックすることで、一日中の温度変動を把握できます。意外と夜間、保温できているようでできていないパターンが多いです。
四季がある日本にとって、温度の維持管理はとても難しい作業です。何度もトライして、レオパにとって最適な温度を作り出しましょう。
静かな場所に移動させよう
レオパがシェルターから出てこないときは、ケージの場所を見直してみましょう。騒がしい場所や人の往来が多いところでは、レオパはストレスを感じやすくなります。
ケージをもっと静かな部屋に移動するだけでも、レオパがリラックスして動き回るかもしれません。移動後は、レオパの様子を観察し、より積極的に活動するかどうかをチェックしてください。
ただし、短期間に何度もケージを動かすのはやめましょう。環境の変化に慣れるには、最低でも2週間近くかかります。移動したら、しばらくはその場所で観察を続けてください。
夜間の行動も確認しよう
レオパが日中シェルターに引きこもる場合、夜間の活動もチェックしてみましょう。レオパは夜行性で、普段はほとんどが夜に活動をします。
もし夜間もあまり動いていない場合、何か問題があるかもしれません。先に述べた病気や怪我、温度などを確認してみてください。
夜間の様子を確認するとき、自分で確認してもいいですが、定期的に見ていたいなら暗闇で見えるカメラを設置するのがおすすめです。
専用の遊び場を設置しよう
レオパがシェルターから出てこないとき、新しい遊び場を設置してみましょう。遊び場を用意することで、レオパの探索心を刺激し、積極的な活動をうながすことができます。
また、遊び場があることで、レオパは身体を動かしやすくなり、健康的な生活を送れるようになります。便秘や肥満などの予防にもつながるので、設置して損はありません。
もちろん遊び場なのでレオパも喜びますし、飼育者も見ていて楽しいというメリットがあります。単調な飼育をつまらなく感じる人は、ぜひ遊び場の設置を検討しましょう。
今日でひきこもり終了!レオパの遊び場「はちゅれちっく」
爬虫類用品の国内メーカーである両爬工房では、小型爬虫類向けの遊び場(遊び場付きロフト)「はちゅれちっく」を開発・販売しています。
レオパがシェルターから出てこないとき、はちゅれちっくの設置はとても対処法として有効です。その理由について、簡単にご紹介します。
- 運動不足の解消で、便秘と肥満を健康に
- 高温帯に居やすく、体温を管理しやすい
- 隠れる場所が増えて、ストレス軽減にも
- 登り降りして遊べるからレオパも大喜び
- 遊び場で楽しむレオパに、自分も嬉しい
運動不足の解消で、便秘と肥満を健康に
はちゅれちっくを設置すれば、運動不足を解消できます。その結果、便秘や肥満の予防に繋がるのです。体調不良によるひきこもり対策になること間違いなし。
高温帯に居やすく、体温を管理しやすい
はちゅれちっくには、ロフトが付いています。ロフトに登ると、ケージの上方部分なので暖かい空気がたまっています。
つまり、レオパはその温度を取り入れ、体温を上げられます。体温調整ができるのは、爬虫類にとって大切なポイント。レオパ自身が代謝を上げるなどして、体調をコントロールしてくれます。
隠れる場所が増えて、ストレス軽減にも
はちゅれちっくは、登り降りして遊ぶだけでなく、シェルターに続く第二の隠れ家にもなります。そのため気分や体調によって隠れ家を選べます。隠れ家によるストレス軽減も期待できるのです。
登り降りして遊べるからレオパも大喜び
階段やはしごを登り降りして遊ぶレオパは、はために見れば大喜びしています。活き活きと動き回る様は、はしゃぐ子どものようです。「レオパに喜んでほしい!」という方にはぴったりな便利グッズです。
遊び場で楽しむレオパに、自分も嬉しい
遊び場で楽しそうにしているレオパを見れば、自分自身も嬉しくなります。その気持ちと写真や動画をSNSにシェアすれば、たくさんの友だちが共感してくれるでしょう。遊び場を通してペットライフをより楽しめます。
両爬工房の遊び場「はちゅれちっく」が気になる方は、商品ページもしくは下記の記事をご覧ください。
レオパの遊び場「はちゅれちっく」で飼育がもっと楽しくなる!この記事のポイント
今回は「レオパがシェルターから出てこない問題」について解説しました。最後に、この記事の大切なポイントを振り返りましょう。
- レオパがシェルターから出てこない理由はいくつかある
- 周囲の環境やケージ内の温度など、問題の原因を探そう
- シェルターから出てこないとき、無理やり触るのはNG
- 遊び場の設置など、原因に合わせた対処法を実施しよう
- 両爬工房の遊び場「はちゅれちっく」の設置もおすすめ
レオパの遊び場をお探しの方は、下記の記事がおすすめです。
- 監修:山本直輝, 写真・編集:川添宣広, 「レオパの教科書」, 笠倉出版社, 2020年1月1日
- 著者:小家山仁, 写真・編集:川添宣広, 「ヒョウモントカゲモドキの健康と病気」, 誠文堂新光社, 2019年4月12日