爬虫類用品メーカー「両爬工房」のKantaです。プロの立場からこの記事を解説します。
「レオパに運動は必要なの?」「運動不足を解消するいい方法は?」といったお悩みに、わかりやすくお答えします。
レオパにとって運動は、健康を保つためにとても大切です。運動することで、食欲や筋力の向上、便秘や肥満の対策につながります。
とはいえ、ただ飼育するだけでは積極的に運動はしてくれません。多くの方が間違えています。レオパのケージレイアウトには、運動させる「仕掛け」が必要になるのです。
この記事では「レオパの運動不足解消方法」について詳しく解説します。後半には運動を促せる便利グッズ「レオパの遊び場」も紹介します。
レオパにずっと健康でいてほしい方、大切なレオパの命を守りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
爬虫類の飼育用品メーカー『両爬工房』代表
Kanta
かんた
爬虫類を含めた動物の飼育歴23年。自分でも爬虫類を飼いながら、飼育用品メーカー『両爬工房』代表として、爬虫類シェルターなどを開発・販売している。ものづくりのモットーは「ユニークで良いものを」。好きな食べ物は、ティラミスとスタバのフラペチーノ。好きなアーティストは、優里と菅田将暉。
レオパに運動は必要なの?
レオパは元気に過ごすために運動が必要です。自然界では岩場を歩いたり、隠れ場所を探したりします。家で飼う場合も、同じように運動させることが大切です。
運動をすることで筋肉がつき、食欲も増進して健康を維持できます。また、活動的になることでストレス解消にもなると考えられます。
小さな遊び場をケージに設置するだけでも、レオパは運動を楽しむことができます。毎日少しでも体を動かすようにうながして、レオパを健康を守り、長生きさせましょう。
レオパを運動させないリスク
ここでは、レオパを運動させないリスクについてご紹介します。このリスクを理解しておくことで、運動の重要なポイントがわかり、より効果的にレオパを運動させられます。
- 食欲が低下する
- 筋力が弱くなる
- 便秘になりやすい
- 肥満になりやすい
- 退屈な毎日にさせる
食欲が低下する
レオパが十分に運動しないと、食欲が落ちることがあります。運動は消化活動を助け、健康を保つ重要な役割を果たします。
活動量が少ないと、その分エネルギー消費も少なくなります。すると必然的に、自然と食事の量も減ってしまいます。
この状態が続くと、栄養不足や免疫力の低下につながり、病気にかかりやすくなる恐れがあります。レオパの食欲を正常に保つためにも、定期的な運動が必要です。
筋力が弱くなる
レオパは適切に運動しない日々が続くと、筋力が低下します。筋力が落ちると、移動するのが難しくなり、活動的な生活が送れなくなるかもしれません。
これは、レオパの日常生活に大きな影響を与えることがあります。特に若いレオパでは成長が脅かされる可能性があります。
さらに、筋力が不足すると捕食行動も鈍くなるため、食事をする際にも問題が生じる可能性があります。健康な体を維持するためには、日常的に運動を取り入れ、筋肉を強く保たなければなりません。
便秘になりやすい
レオパは十分な運動をしていないと、便秘になりやすくなります。運動は消化器系の動きを活発にし、食べ物がスムーズに消化管を通過するのをサポートするからです。
運動不足はこの自然な流れを遅らせ、便秘の原因となります。便秘が続くと、レオパの腸内環境が悪化し、健康全般に悪影響を及ぼすことがあります。
突然「あれ、最近うんちをしないな…」となっては不安ですよね。日々の運動を促進することで、便秘を予防し、レオパが健康で快適な生活を送れるようにしましょう。
肥満になりやすい
レオパが適切に運動していないと、肥満になりやすくなります。人間と同じように、運動はカロリーを消費する大切な手段です。
活動量が少ないと、食べたエネルギーが余分に蓄積されてしまいます。肥満は健康問題を引き起こす原因となり、寿命を短くすることもあります。
特に骨格に負担がかかり、関節の問題や他の病気のリスクが高まります。定期的な運動を行うことで健康的な体重を維持させ、レオパにとって理想の体型を保てるようにしましょう。
退屈な毎日にさせる
レオパは適切に運動できない環境にいると、退屈でストレスがたまる日々を送ることになります。活動的な環境を作れないと、レオパのメンタルにも悪い影響を与えます。
運動は彼らにとって刺激となり、日々の生活に変化をもたらします。運動不足はレオパが行動的でなくなり、全体的な気分も下がる原因になることがあります。
毎日少しでもレオパに運動をさせてあげることで、彼らの幸福感を高めてあげれます。閉じこもった空間にずっといるわけなのです。彼らに楽しくなる遊び場を与えてあげませんか?
レオパはどのくらい運動させればいいの?
レオパに必要な運動量は個体によって異なります。一概にこれだけ運動させれば良いとは言えません。重要なのは、レオパが運動したいと感じたときにすぐに動けるような環境を作ることです。
そのためには、ケージ内に十分な広さを確保し、登り降りが楽しめるような設置物を用意することが大切です。また、高低差のある居場所を設けることで、自然な環境に近い状態を再現し、彼らの運動欲を満たすことができます。
これらの工夫により、レオパはいつでも自由に体を動かすことが可能になり、健康的に過ごせるようになります。
レオパを弱らせる間違った運動方法
レオパを弱らせる間違った運動方法についてご紹介します。
あなたは「運動させるのなんて簡単だろう」と思い、間違った方法を選んでませんか?
間違えた運動方法により、レオパの命を落とすことさえあります。決して失敗しないよう、あなたも間違えた方法を知っておいてください。
- 部屋で散歩をさせる
- 回し車で遊ばせる
部屋で散歩をさせる
部屋でレオパを散歩させるのはおすすめできません。家庭内の温度はレオパに適していない場合が多く、不適切な温度帯に長時間さらされると、彼らの健康に悪影響を与えます。
また、部屋には彼らが誤って飲み込んでしまう小さな物が落ちていることがあります。さらに、有害な物質が存在する可能性も否定できません。これらの環境はレオパにとってストレスや健康リスクを高める原因となります。
レオパを安全に運動させるためには、専用の遊び場や適切に設計されたケージ内での活動が理想的です。専用の設備であれば、安全かつ効果的に運動をさせることができます。
回し車で遊ばせる
回し車はレオパにとって非常に危険です。彼らが回し車を使用すると、回し車の隙間に四肢が挟まる恐れがあり、最悪の場合、四肢を失うこともあります。
レオパの体形や動きには回し車が適しておらず、怪我をするリスクが高いです。適切な運動方法を選ぶことが、彼らの安全を守る上で非常に重要です。
安全な運動としては、登り降り可能な構造物を設置したり、広いスペースで自由に歩かせることがおすすめです。
【時短】レオパが勝手に運動してくれるレイアウト
レオパが勝手に運動してくれるレイアウトの組み方をご紹介します。
ケージ内をこのレイアウトで作れば、レオパが自発的に運動してくれるので、安心して飼い続けられます。
「レオパの運動不足に困ってるけど、どうやって解消したらいいか分からない!」という方は、ぜひ紹介するレイアウトを試してみてください。
- 通常より大きめのケージを使う
- 登り降りできる遊び場を設置する
通常より大きめのケージを使う
レオパのケージは、あまり小さすぎると彼らの運動に制限が出てしまいます。よく使われる幅30cm×奥行き20cmのサイズでは狭すぎるため、もうひと回り大きいケージがおすすめです。
これにより、レオパはより自由に動くことができ、とても活動的になります。広いスペースを与えることで勝手にどんどん動き回り、その結果、健康を保ちやすくなるうえストレスも減少するのです。
また、日々のケアもしやすくなるため、飼い主にとっても管理が楽になります。面積が広がることで、設置物を増やせるので、レイアウトの幅も広がりますね。
登り降りできる遊び場を設置する
レオパに登り降りできる遊び場を設置すると、自然に運動するようになります。このような遊び場は、レオパの探索欲を刺激し、彼らが自発的に体を動かす機会を増やします。
遊び場には登り降りできる階段やはしごがあったり、高低差のできるロフトがあったりすると、レオパに立体活動をうながせます。
最初から完成された遊び場なら、特別な知識は必要ありません。購入して届いたら設置するだけです。レオパに運動を促したい方は、ぜひ遊び場の設置を検討してください。
レオパ専用の遊び場「はちゅれちっく」
爬虫類用品の国内メーカーである両爬工房では、小型爬虫類向けの遊び場(遊び場付きロフト)「はちゅれちっく」を開発・販売しています。
はちゅれちっくを使えば、小型爬虫類の立体活動をサポートできるので、運動不足の解消や便秘・肥満の予防につながります。野生のような活き活きとした姿を見られるので、あなた自身も飼っていて楽しくなるはずです。
サイズは「2階建て」「3階建て」の2種類で、お使いのケージサイズに合わせ選べます。特別な知識や技術は必要なく、設置するだけで立体レイアウトのできあがりです。
「レオパを積極的に運動させたい。ずっと健康でいてほしい」「もっと毎日の飼育を楽しみたい」と思う方は、レオパ専用の遊び場「はちゅれちっく」をぜひ手に入れてください。
レオパの遊び場「はちゅれちっく」で飼育がもっと楽しくなる!この記事のポイント
今回は「レオパの運動不足の解消方法」について解説しました。最後に、この記事の大切なポイントを振り返りましょう。
- 自然界でも岩場などを動き回るレオパにとって、運動は必要なこと
- 運動するメリットは、食欲や筋力の向上、肥満や便秘の対策など
- レオパが運動したいと感じたときにすぐに動けるような環境を作る
- 登り降りできる遊び場を設置すると、レオパの運動をうながせる
- レオパ専用の遊び場なら両爬工房の「はちゅれちっく」がおすすめ
レオパの遊び場をお探しの方は、下記の記事がおすすめです。
- 監修:山本直輝, 写真・編集:川添宣広, 「レオパの教科書」, 笠倉出版社, 2020年1月1日
- 著者:小家山仁, 写真・編集:川添宣広, 「ヒョウモントカゲモドキの健康と病気」, 誠文堂新光社, 2019年4月12日