爬虫類用品メーカー「両爬工房」の山田です。プロの立場からこの記事を解説します。
「ロシアリクガメの適正な湿度は?湿度管理のやり方を知りたい!」「湿度管理が簡単になる便利グッズはあるの?」といったお悩みに、わかりやすくお答えします。
ロシアリクガメは、乾燥した環境を好むリクガメで、適正な湿度は40〜50%です。そのため、極端に乾燥しやすい冬季でもなければ、湿度管理はそう難しくありません。
記事前半では「ロシアリクガメの適正湿度、湿度ミスによる悪影響」について詳しく解説します。そして、後半にはロシアリクガメにぴったりな「加湿機能付きシェルター」をご紹介します。
湿度管理に失敗してペットを不幸にしたくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
※補足1:ここでいうロシアリクガメは、下記のような別名があります。ロシアリクガメと同じ種類なので、どうぞ安心して読み進めてください。
- ヨツユビリクガメ
- ホルスフィールドリクガメ
※補足2:ロシアリクガメは、下記のような亜種に分かれています。これらの亜種を飼育する場合も含まれるので、どうぞ安心して読み進めてください。
- アフガニスタンヨツユビリクガメ
- フェルガナヨツユビリクガメ
- カザフスタンヨツユビリクガメ
- トルクメニスタンヨツユビリクガメ
- コペトダクヨツユビリクガメ
爬虫類の飼育用品メーカー『両爬工房』代表
Kanta
かんた
爬虫類を含めた動物の飼育歴23年。自分でも爬虫類を飼いながら、飼育用品メーカー『両爬工房』代表として、爬虫類シェルターなどを開発・販売している。ものづくりのモットーは「ユニークで良いものを」。好きな食べ物は、ティラミスとスタバのフラペチーノ。好きなアーティストは、優里と菅田将暉。
ロシアリクガメは乾燥した環境が好き!適切な湿度は40〜50%
ロシアリクガメは乾燥した環境を好むリクガメです。彼らの健康を守るため、湿度はシビアですが「40%〜50%」を維持することが大切です。この湿度範囲があれば、甲羅も皮膚も健康に保てます。
※参考:自然界では、乾燥した岩石砂漠や草原などに生息するほか、農耕地などにも見られます。そのため、比較的乾燥した環境を好むわけです。
湿度が低すぎると甲羅の問題が起きやすく、また呼吸器系にも影響します。とはいえ、逆に湿度が高すぎると、カビや細菌のリスクが増えます。
低湿度帯を好むリクガメですが、最低限の湿度管理は必要です。霧吹きや加湿器、加湿機能付きシェルターなどを駆使して、適正な湿度ラインを維持できるように努めましょう。
ロシアリクガメの湿度管理ミスによる悪影響
ロシアリクガメの湿度管理ミスによる悪影響についてご紹介します。
湿度管理を間違えてしまうと、健康を害する可能性があります。飼育をするうえで、どのような悪影響が及ぶのか、知っておきましょう。
- 高湿度すぎるとカビや細菌で皮膚病になる
- 低湿度すぎると甲羅の成長障害を起こす
- 低湿度すぎると呼吸器の病気を患う
高湿度すぎるとカビや細菌で皮膚病になる
ロシアリクガメのケージ内が過度に湿ってしまうと、カビや細菌が繁殖しやすくなります。このような環境は皮膚病を引き起こす可能性があり、あなたの大切なペットにとって非常にリスクが高い状態です。
カビや細菌は暖かく湿った場所を好むため、ケージの湿度管理には特に注意が必要です。もしケージがジメジメしていると感じたら、通気を良くする措置を講じたり、湿度を適切に調整する方法を検討しましょう。
特にロシアリクガメは、乾燥した環境を好むリクガメです。病気でなくても、高湿度だと体調を崩します。蒸れやすい夏など、湿度の上がり過ぎには、十分注意してください。
低湿度すぎると甲羅の成長障害を起こす
一方で、ケージ内の湿度が低すぎる場合も問題です。ロシアリクガメの甲羅は、彼らの健康のバロメーターとしても機能しており、適切な湿度が不可欠です。
湿度が低いと、甲羅が正常に成長せず、軟化したり形が歪むことがあります。これは見た目の問題だけでなく、ロシアリクガメの全体的な健康にも影響を及ぼします。
甲羅が健康であることは、飼育者から見えるビジュアルの問題だけでなく、彼らが快適かつ健康的に過ごすためにも大切なポイントです。
とはいえ、ロシアリクガメは乾燥した環境を好むリクガメです。乾燥する冬季でもなければ、低湿度の問題に関しては、そこまで神経質になりすぎなくて大丈夫です。
低湿度すぎると呼吸器の病気を患う
ロシアリクガメのケージの湿度が低すぎると、呼吸器の病気にかかりやすくなります。特に乾燥した環境は、ロシアリクガメの気道を刺激し、その結果、呼吸に関連する健康問題を引き起こすことがあります。
このような問題には、鼻水や呼吸が荒くなるなどの症状が現れることがあります。人間同様に適切な湿度の維持は、ロシアリクガメの呼吸器を守るために非常に重要です。
とはいえ、ロシアリクガメは乾燥した環境を好むリクガメです。乾燥する冬季でもなければ、低湿度の問題に関しては、そこまで神経質になりすぎなくて大丈夫です。
ロシアリクガメのケージ内の湿度計測方法
ロシアリクガメを健康に育てるためには、ケージ内の湿度を正確に知ることがとても大切です。これにはデジタル温湿度計が非常に役立ちます。この湿度計をケージ内に設置することで、いつでも現在の湿度をチェックできるようになります。
湿度計の設置場所については、ケージの中心に置くと一番正確な読み取りが可能ですが、その位置だとロシアリクガメに動かされたり、邪魔になることがあるかもしれません。
そこで、もっと実用的な方法として、ケージの端の方に湿度計を複数設置することをおすすめします。これにより、ケージ内の異なる場所での湿度や温度の変化も把握でき、より良い環境を作る手助けになります。
ロシアリクガメの湿度管理・調整方法
ロシアリクガメの湿度管理・調整方法についてご紹介します。
ロシアリクガメは乾燥した環境を好むため、加湿をするだけではなく、ときには除湿しなければなりません。
紹介する方法や便利グッズを使いこなして、ロシアリクガメに最適な湿度を作ってみてください。
- 湿っぽい夏や梅雨時は、通気を良くする
- 必要があるときだけ霧吹きで加湿する
- 加湿機能付きのシェルターを使う
湿っぽい夏や梅雨時は、通気を良くする
ロシアリクガメの場合、加湿していなくても適正な湿度ラインの「40〜50%」を超えてしまうことがあります。
特に、湿っぽい夏や梅雨時は注意してください。ケージがこもっていると、なおさら内部が蒸れてしまい、湿度が高くなってしまいます。
対策として、ケージの通気性を良くしたり、適度に換気をしたり、ファンを回したりして空気を入れ替えましょう。
また除湿機があれば、部屋に設置すると効果てきめんです。とはいえ、除湿機は高価なので、まずはできることからチャレンジしてみてください。
必要があるときだけ霧吹きで加湿する
ロシアリクガメのケージにちょっとだけ加湿したいなら、霧吹きが便利です。どれくらい加湿するかを自分で調整できるので、びしょびしょになりません。
乾燥しすぎていたら(低湿度が好きなので、無理に加湿しすぎない)、ケージ内に軽く霧を吹きかけると良いでしょう。床材に霧吹きをすればケージ内を長時間保湿できるので、ロシアリクガメの皮膚や甲羅に水分を与えられます。
ケージがずっと湿りすぎないように注意が必要です。あまりに過剰に湿度が高すぎると、カビや細菌を繁殖させてしまいますし、ロシアリクガメの環境としても不適正です。
ケージ内の通気を確保し、湿度計を使って湿度レベルをこまめにチェックしましょう。何日か試していけば、感覚的に必要な霧吹きの回数や水分量が分かってきます。
加湿機能付きのシェルターを使う
ロシアリクガメの湿度管理で最もおすすめなのが、加湿機能付きのシェルターです。このシェルターはケージの中で場所をとらず、設置も簡単なため、誰でも気軽に始められます。
シェルター内には水を入れる部分があり、ロシアリクガメが必要とする低湿度レベルなら余裕で保つことができます。飲み水用の水入れと一緒に補充するだけで良いので、毎日の手間がほとんどかかりません。
この方法は湿度の安定した環境を維持しやすいうえ、床材をびしょびしょに濡らさなくていいので、カビや細菌の心配も少なくなります。飼育初心者のうちは、加湿機能付きシェルターの導入を検討しましょう。
ロシアリクガメの湿度管理ができる加湿機能付きシェルター
幅19cm×高さ10cm「カラーリクガメシェルター」(カラー5色)
爬虫類用品の国内メーカーである両爬工房では、彩り豊かなカラーから選べる「カラーリクガメシェルター」を開発・販売しています。
こちらの商品は、リクガメ専用として作られました。たとえば水を入れてケージ内を加湿する特別な機能を持っていたり、垂直な壁面で登りづらくして事故を防いだりできるのです。
そして何より他のシェルターと違うのは、鮮やかな天井面。好みのカラーのものを使えば、毎日の飼育の充実度も高まり、楽しくなること間違いなし。
「好きなカラーのシェルターを使いたい」「もっと毎日の飼育を楽しみたい」と思った方は、こちらのカラーリクガメシェルターをぜひお買い求めください。
幅28cm×高さ14cm〜「ビッグリクガメシェルター」(L/XL/XXL)
爬虫類用品の国内メーカーである両爬工房では、超巨大なリクガメでも使える「ビッグリクガメシェルター」を開発・販売しています。
こちらの商品は、リクガメ専用として作られました。たとえば水を入れてケージ内を加湿する特別な機能を持っていたり、垂直な壁面で登りづらくして事故を防いだりできるのです。
これまで諦めていた大きなリクガメの飼い主さんも、こちらの’製品なら使えるはず。大きくなった後でも、たまには隠れて休ませてあげたら喜んでくれるでしょう。
「大きくなったペットに隠れ家をあげたい」「成長に備えて、あらかじめ大きいものが欲しい」と思った方は、こちらのビッグリクガメシェルターをぜひお買い求めください。
この記事の大切なポイント
今回は「ロシアリクガメの湿度管理」について、プロの目線からご紹介しました。最後に、忘れないようにこの記事の大切なポイントを振り返りましょう。
- ロシアリクガメは、40〜50%の乾燥した環境が好き
- 湿度管理を間違えると皮膚病や甲羅障害などを患う
- 湿っぽい夏や梅雨時は、空気の入れ替えを忘れない
- 湿度管理は、霧吹きや加湿できるシェルターを使う
- 両爬工房なら加湿機能付きシェルターの種類が豊富
加湿機能付きのリクガメシェルターをお探しの方は、下記の記事がおすすめです。両爬工房の製品について、メリットやデメリット、お客様のレビューを紹介しています。
≫後ほど記載
≫後ほど記載
- 著者:小家山仁, 「カメの気持ちと飼い方がわかる本」, 主婦の友社, 平成29年6月30日
- 著者:吉田誠, 「新訂版 リクガメの飼い方」, エムピージェー, 2020年3月15日
- 著者:だっくす小峰, 監修:田向健一, 「いちばんよくわかる! カメの飼い方・暮らし方」, 成美堂, 2022年8月20日
- 著者:中井穂瑞領, 写真:川添宣広, 「DISCOVERY カメ大図鑑 潜頸亜目・曲頸亜目」, 誠文堂新光社, 2021年10月16日