爬虫類用品メーカー「両爬工房」の山田です。プロの立場からこの記事を解説します。
「ロシアリクガメにおすすめのシェルターとは?」「そもそもロシアリクガメにシェルターは必要なの?」といったお悩みに、わかりやすくお答えします。
ロシアリクガメの飼育にシェルターは必要です。野生の彼らは深い穴を掘って隠れて暮らしているからです。当然、飼育下でも隠れる場所は大切になるわけです。
しかし、どのようなシェルターでもいいわけではありません。きちんとロシアリクガメに合ったものを選ばなければ、気に入ってくれないどころか、危険すら及びます。
そこでこの記事では「ロシアリクガメのシェルターの選び方」について解説します。そして、後半にはロシアリクガメ向けのおすすめ商品をご紹介します。
シェルター選びに失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
爬虫類の飼育用品メーカー『両爬工房』代表
Kanta
かんた
爬虫類を含めた動物の飼育歴23年。自分でも爬虫類を飼いながら、飼育用品メーカー『両爬工房』代表として、爬虫類シェルターなどを開発・販売している。ものづくりのモットーは「ユニークで良いものを」。好きな食べ物は、ティラミスとスタバのフラペチーノ。好きなアーティストは、優里と菅田将暉。
ロシアリクガメにシェルターは必要なの?
ロシアリクガメにはシェルターが必要です。野生のロシアリクガメは、深い穴を掘って安全に休んでいます。これは、彼らが安心してリラックスできる場所を必要としているからです。
また、シェルターは温度管理にも役立ちます。ロシアリクガメの飼育環境では、23度から30度とかなり広い温度勾配が求められます。しかし、シェルターがあれば外の暖かい空気を遮断し、より低い温度帯を作ることができます。
結論として、ロシアリクガメにはシェルターが確実に必要です。彼らが自然に近い環境で健康に過ごせるように、適切なシェルターを用意しましょう。
ロシアリクガメのシェルターは高さに注意
実はロシアリクガメは、他のリクガメと違って「甲羅が比較的平ら」なので、背の高いシェルターは必要ありません。土の中に潜りやすくなるため、平らになったと考えられます。
シェルターを選ぶときは、ウサギ小屋のような形状のものを選ぶと、ロシアリクガメには背が高すぎます。幅に対して高さが半分程度のシェルターがおすすめです。
両爬工房の製品「カラーリクガメシェルター」なら、ロシアリクガメにとってちょうどいい幅と高さに作られています。気になる方は、記事後半の商品紹介をご覧ください。
ロシアリクガメに最適なシェルターサイズ
ロシアリクガメに最適なシェルターは、次のサイズ基準で選べば問題ありません。
- おすすめの横幅は、甲長の約2〜2.5倍
- おすすめの高さは、身長の約1.5〜2倍
- 成長を見越して若干大きめを買うべき
- 多頭飼いなら高さは同じで幅は広めに
おすすめの横幅は、甲長の約2〜2.5倍
ロシアリクガメのシェルターを選ぶ際、横幅は特に重要です。甲長の約2倍から2.5倍の横幅が理想的とされています。このサイズだと、リクガメが自由に入ったり出たりでき、十分なスペースで安心して休むことが可能です。
狭すぎるシェルターは、リクガメがストレスを感じる原因になります。一方で、広すぎるとケージ内の日陰部分が大きすぎて保温がうまくいかず、温度管理が難しくなります。適切なサイズのシェルターを選んで、ペットの安全と快適さを守りましょう。
おすすめの高さは、身長の約1.5〜2倍
ロシアリクガメのシェルター選びでは、高さも大切な要素です。適切な高さは、リクガメの身長の約1.5倍から2倍がおすすめです。この高さがあれば、リクガメが立ち上がったり、体を伸ばしたりしても、圧迫感を感じることなく快適です。
シェルターが低すぎると、リクガメが動きづらくなり、ストレスを感じたり、出入りできなかったりします。反対に大きすぎると、日陰部分がうまく作れずに閉塞感が生まれず、隠れ家として機能しないため注意しましょう。
成長を見越して若干大きめを買うべき
ロシアリクガメを飼う際は、成長を考慮してシェルターを選びましょう。若干大きめのシェルターを用意することが推奨されます。これにより、リクガメが成長しても同じシェルターを長く使い続けることができます。
小さいシェルターは、リクガメが成長するにつれてすぐに小さくなり、頻繁に新しいものに買い替える必要があります。これは、はっきり言ってコスパが良くありません。
シェルターを買うときは、先に説明したサイズ内でできるだけ大きめを選びましょう。
多頭飼いなら高さは同じで幅は広めに
多頭飼いをする場合、シェルターの高さは変えずに、幅を広くすることが重要です。これにより、各リクガメが互いに干渉することなく、快適に過ごせます。
幅が広いシェルターは、リクガメ同士のストレスを軽減し、健康を保つ助けとなります。また、争いや怪我のリスクを減らすことができます。
十分なスペースがあるシェルターを用意することで、全てのリクガメが安心して休める場所を作れます。多頭飼いの環境では、多少高さがオーバーサイズでもいいので、より大きめの製品を選んでください。
ロシアリクガメのシェルターを選ぶポイント
サイズ以外にもロシアリクガメのシェルターを選ぶポイントがいくつかあります。ここでは、これらについて詳しく解説していきます。
- 出入りしやすいよう入口は広いほどいい
- 加湿機能があると飼育が随分ラクになる
- 登りづらい壁面だと思わぬ事故を防げる
- 事故を防げる安定した重量のものを選ぶ
- 商品価格より好きなデザインを重視する
- メイドインジャパンだと、購入後も安心
- 迷ったらリクガメ特化シェルターを選ぶ
出入りしやすいよう入口は広いほどいい
ロシアリクガメが自由に出入りできるよう、シェルターの入口は広めにすることが推奨されます。
広い入口は、特に大きいリクガメにとって重要で、ストレスの少ない環境を提供します。このような設計は、リクガメが安心してシェルターを利用する助けになります。
加湿機能があると飼育が随分ラクになる
加湿機能が付いたシェルターを選ぶことで、ロシアリクガメの健康をサポートし、日々の飼育がずっと楽になります。
適切な湿度はリクガメの皮膚の健康を保ち、呼吸器系の問題を予防するのに役立ちます。特に乾燥が問題となる季節や環境では、この機能が非常に有効です。
登りづらい壁面だと思わぬ事故を防げる
シェルターの壁面が滑りにくく、登りづらい設計であることが重要です。これにより、ロシアリクガメが壁を登ろうとして転倒し、怪我をするリスクを減らすことができます。
安全なシェルター選びは、ロシアリクガメが健康で安全に過ごせる環境を作る上で、非常に重要な要素です。
事故を防げる安定した重量のものを選ぶ
シェルターは、安定感がある重いものを選びましょう。これにより、リクガメが触れた際に倒れる事故を防げます。
重いシェルターは、安全性が高く、リクガメが安心して使える環境を提供します。特に活発に動き回るリクガメには、しっかりと固定できるシェルターが必要です。
商品価格より好きなデザインを重視する
好きなデザインのシェルターは、飼育のモチベーションを高め、毎日のケアが楽しくなります。リクガメの快適さとケージの見た目を両立させましょう。
デザインが優れているシェルターは、観賞価値も高く、部屋のインテリアとしても楽しめます。むしろ気に入っていないシェルターは、飼育そのものが充実しなくなるので要注意。
メイドインジャパンだと、購入後も安心
「メイドインジャパン」のシェルターを選ぶと、品質の高さが保証されます。国内製造品は、安全基準が厳しく、購入後のサポートも充実していることが多いです。
長期間安心して使える製品を選びましょう。また、国産品はアフターサービスもしっかりしており、トラブル時の対応も迅速です。
迷ったらリクガメ特化シェルターを選ぶ
リクガメ専用のシェルターを選ぶことは、迷った時の一つの良い選択肢です。これらのシェルターはリクガメの生態に合わせた設計がされており、安全で快適な環境を提供します。
専門的に設計されたシェルターは、リクガメの健康をサポートします。専用設計のため、リクガメの行動や健康に最適な条件が整っています。
ロシアリクガメのシェルター設置場所
ロシアリクガメのシェルターを設置するときは、以下のポイントを守りましょう。
- ライトの照射の真下にシェルターと水入れを置かない
- シェルターと熱源は、ケージの左右両端に離して設置する
- シェルターは、わずかに床材に埋めて固定させる
- シェルターは壁際に寄せて、行動範囲(床面積)を広くする
- シェルターの出入り口と向かい側の壁は、近づけすぎない
特に大切なポイントは、設置するときのライトとシェルターの配置です。これを間違えると、熱々の空間の中にシェルターを設置してしまい、サウナができてしまいます。
ロシアリクガメは、比較的乾燥した環境を好みます。そのため、ライトの照射が水入れに当たらないことにも要注意。もし狭かったら、水入れは小さいサイズを使いましょう。
ライト真下の暖かいところ、シェルター内部の涼しいところ、しっかり2種類の温度勾配を作って、ロシアリクガメが自分で気温を選べるようにしましょう。
ロシアリクガメ向けおすすめ商品「カラーリクガメシェルター」
爬虫類用品の国内メーカーである両爬工房では、彩り豊かなカラーから選べる「カラーリクガメシェルター」を開発・販売しています。
こちらの商品は「幅19cm×奥行き19cm×高さ10cm」と、ロシアリクガメにぴったりなサイズ感です。高さがありすぎず、かつ幅と奥行きが広いので大人になっても使えます。
また、リクガメのために特化した機能と形状です。たとえば加湿機能をもっていたり、垂直な壁面で登りづらくして安全性を高めたりしています。
そして何より他のシェルターと違うのは、鮮やかな天井面。好みのカラーのものを使えば、毎日の飼育の充実度も高まり、楽しくなること間違いなし。
「好きなカラーのシェルターを使いたい」「もっと毎日の飼育を楽しみたい」と思った方は、こちらのカラーリクガメシェルターをぜひお買い求めください。
この記事の大切なポイント
今回は「ロシアリクガメのシェルター」をプロの目線からご紹介しました。最後に、忘れないようにこの記事の大切なポイントを振り返りましょう。
- ロシアリクガメを飼育するなら、極力シェルターを設置するべき
- 甲羅が平らなので、背の高すぎるシェルターは適さないので注意
- サイズ選びでは、幅は全長の約2〜2.5倍、高さは身長の約1.5〜2倍
- 加湿機能があると毎日の湿度管理の手間が減り、飼育がラクになる
- 迷ったらリクガメ専用シェルターを選べば、機能や形状に問題なし
ロシアリクガメのシェルターをお探しの方は、下記の記事がおすすめです。両爬工房の製品について、メリットやデメリット、お客様のレビューを紹介しています。
≫後ほど記載
- 著者:小家山仁, 「カメの気持ちと飼い方がわかる本」, 主婦の友社, 平成29年6月30日
- 著者:吉田誠, 「新訂版 リクガメの飼い方」, エムピージェー, 2020年3月15日
- 著者:だっくす小峰, 監修:田向健一, 「いちばんよくわかる! カメの飼い方・暮らし方」, 成美堂, 2022年8月20日
- 著者:中井穂瑞領, 写真:川添宣広, 「DISCOVERY カメ大図鑑 潜頸亜目・曲頸亜目」, 誠文堂新光社, 2021年10月16日