爬虫類用品メーカー「両爬工房」の山田です。プロの立場からこの記事を解説します。
「ヘルマンリクガメの適正な湿度は?湿度管理のやり方を知りたい!」「湿度管理が簡単になる便利グッズはあるの?」といったお悩みに、わかりやすくお答えします。
ヘルマンリクガメの湿度管理は、そこまで難しくありません。適正ラインは、40〜60%なので、冬季以外であれば空気中の湿度とさほどかわらないからです。
記事前半では「ヘルマンリクガメの適正湿度、湿度ミスによる悪影響」について詳しく解説します。そして後半には、ヘルマンリクガメにぴったりな「加湿機能付きリクガメシェルター」をご紹介します。
湿度管理に失敗してペットを不幸にしたくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
※この記事のヘルマンリクガメとは、下記の2品種を含みます。
- ニシヘルマンリクガメ
- ヒガシヘルマンリクガメ
ヒガシヘルマンリクガメの湿度管理を知りたい方は、下記の記事がおすすめです。ヒガシヘルマンリクガメに特化した内容でお話しています。
ヒガシヘルマンリクガメの適正な湿度管理【加湿しすぎに要注意】爬虫類の飼育用品メーカー『両爬工房』代表
Kanta
かんた
爬虫類を含めた動物の飼育歴23年。自分でも爬虫類を飼いながら、飼育用品メーカー『両爬工房』代表として、爬虫類シェルターなどを開発・販売している。ものづくりのモットーは「ユニークで良いものを」。好きな食べ物は、ティラミスとスタバのフラペチーノ。好きなアーティストは、優里と菅田将暉。
ヘルマンリクガメは乾燥気味が好き!適切な湿度は40〜60%
ヘルマンリクガメはやや乾燥気味の環境を好むリクガメです。彼らの健康を守るため、湿度は40%から60%を保つことが大切です。この湿度範囲があれば、甲羅も皮膚も健康に保てます。
※参考:自然界では標高1500m以下のやや乾燥した草原や森林に生息しています。一部地域では、畑や果樹園、牧草地でも見られていたそうです。
湿度が低すぎると甲羅の問題が起きやすく、また呼吸器系にも影響します。とはいえ、逆に湿度が高すぎると、カビや細菌の発生するリスクが増えます。
霧吹きや水入れ、加湿器、加湿機能付きシェルターなどを駆使して、適正な湿度ラインを維持できるように努めましょう。
ヘルマンリクガメの湿度管理ミスによる悪影響
ヘルマンリクガメの湿度管理を失敗したときに起きる悪影響をご紹介します。
ヘルマンリクガメは比較的丈夫な種類ですが、間違った湿度帯に居続けると当然健康を損ないます。
そのときにどのような悪影響が及ぶのか、ヘルマンリクガメの飼育者として把握しておきましょう。
- 高湿度すぎるとカビや細菌で皮膚病になる
- 低湿度すぎると甲羅の成長障害を起こす
- 低湿度すぎると呼吸器の病気を患う
高湿度すぎるとカビや細菌で皮膚病になる
ヘルマンリクガメのケージ内が過度に湿ってしまうと、カビや細菌が繁殖しやすくなります。このような環境は皮膚病を引き起こす可能性があり、あなたの大切なペットにとって非常にリスクが高い状態です。
カビや細菌は暖かく湿った場所を好むため、ケージの湿度管理には特に注意が必要です。もしケージがジメジメしていると感じたら、通気を良くする措置を講じたり、湿度を適切に調整する方法を検討しましょう。
特にヘルマンリクガメは、やや乾燥気味の環境を好むリクガメです。病気でなくても、高湿度だと体調を崩します。蒸れやすい夏など、湿度の上がり過ぎには、十分注意してください。
低湿度すぎると甲羅の成長障害を起こす
一方で、ケージ内の湿度が低すぎる場合も問題です。ヘルマンリクガメの甲羅は、彼らの健康のバロメーターとしても機能しており、適切な湿度が不可欠です。
湿度が低いと、甲羅が正常に成長せず、軟化したり形が歪むことがあります。これは見た目の問題だけでなく、ヘルマンリクガメの全体的な健康にも影響を及ぼします。
甲羅が健康であることは、飼育者から見えるビジュアルの問題だけでなく、彼らが快適かつ健康的に過ごすためにも大切なポイントです。
とはいえ、ヘルマンリクガメはやや乾燥した環境を好むリクガメです。低湿度の問題に関しては、そこまで神経質になりすぎなくて大丈夫です。
低湿度すぎると呼吸器の病気を患う
ヘルマンリクガメのケージの湿度が低すぎると、呼吸器の病気にかかりやすくなります。特に乾燥した環境は、ヘルマンリクガメの気道を刺激し、その結果、呼吸に関連する健康問題を引き起こすことがあります。
このような問題には、鼻水や呼吸が荒くなるなどの症状が現れることがあります。人間同様に適切な湿度の維持は、ヘルマンリクガメの呼吸器を守るために非常に重要です。
とはいえ、ヘルマンリクガメはやや乾燥した環境を好むリクガメです。低湿度の問題に関しては、そこまで神経質になりすぎなくて大丈夫です。
ヘルマンリクガメのケージ内の湿度計測方法
ヘルマンリクガメを健康に育てるためには、ケージ内の湿度を正確に知ることがとても大切です。これにはデジタル温湿度計が非常に役立ちます。この湿度計をケージ内に設置することで、いつでも現在の湿度をチェックできるようになります。
湿度計の設置場所については、ケージの中心に置くと一番正確な読み取りが可能ですが、その位置だとヘルマンリクガメに動かされたり、邪魔になることがあるかもしれません。
そこで、もっと実用的な方法として、ケージの端の方に湿度計を複数設置することをおすすめします。これにより、ケージ内の異なる場所での湿度や温度の変化も把握でき、より良い環境を作る手助けになります。
ヘルマンリクガメの湿度管理・調整方法
ヘルマンリクガメの湿度管理・調整方法についてご紹介します。
ここで紹介する方法は、どれも便利グッズを利用した誰でもできる簡単なものです。
この中からあなたの環境や好みにあった方法を選んで、もしくは組み合わせてチャレンジしてください。
- 定期的に霧吹きをする
- 自動加湿調整器を設置する
- 加湿機能付きのシェルターを使う
定期的に霧吹きをする
ヘルマンリクガメのケージの湿度を適切に保つためには、霧吹きが効果的です。霧吹きをすることで、ヘルマンリクガメが必要とする湿度を簡単に与えられます。
朝晩1〜2回(やや乾燥気味な環境が好きなので、無理に加湿しすぎない)、ケージ内に軽く霧を吹きかけると良いでしょう。床材に霧吹きをすればケージ内を長時間保湿できるので、ヘルマンリクガメの皮膚や甲羅に水分を与えられます。
ケージがずっと湿りすぎないように注意が必要です。あまりに過剰に湿度が高すぎると、カビや細菌を繁殖させてしまいますし、ヘルマンリクガメの環境としても不適正です。
ケージ内の通気を確保し、湿度計を使って湿度レベルをこまめにチェックしましょう。何日か試していけば、感覚的に必要な霧吹きの回数や水分量が分かってきます。
自動加湿調整器を設置する
ヘルマンリクガメのケージ内の湿度を自動で管理したいなら、自動加湿調整器がおすすめです。この装置を使えば、設定した湿度を自動で保つことができ、手動で霧吹きする手間が省けます。
自動加湿調整器は、センサーが湿度を感知して自動で加湿や脱湿を行い、常に一定の湿度を維持します。これにより自分が目を離していても湿度を調整できます。
ただし、自動加湿調整器はとても便利ですが、価格がかなり高い点がデメリットです。また、ケージ内だけを集中的に加湿するのは意外と難しく、位置の調整や設定の見直しが必要になることもあります。
加湿機能付きのシェルターを使う
ヘルマンリクガメの湿度管理で最もおすすめなのが、加湿機能付きのシェルターです。このシェルターはケージの中で場所をとらず、設置も簡単なため、誰でも気軽に始められます。
シェルター内には水を入れる部分があり、ヘルマンリクガメが必要とする低湿度レベルなら簡単に保つことができます。飲み水用の水入れと一緒に補充するだけで良いので、毎日の手間がほとんどかかりません。
この方法は湿度の安定した環境を維持しやすいうえ、床材をびしょびしょに濡らさなくていいので、カビや細菌の心配も少なくなります。飼育初心者のうちは、加湿機能付きシェルターの導入を検討しましょう。
ヘルマンリクガメの湿度管理ができる加湿機能付きシェルター
幅19cm×高さ10cm「カラーリクガメシェルター」(カラー5色)
爬虫類用品の国内メーカーである両爬工房では、彩り豊かなカラーから選べる「カラーリクガメシェルター」を開発・販売しています。
こちらの商品は、リクガメ専用として作られました。たとえば水を入れてケージ内を加湿する特別な機能を持っていたり、垂直な壁面で登りづらくして事故を防いだりできるのです。
そして何より他のシェルターと違うのは、鮮やかな天井面。好みのカラーのものを使えば、毎日の飼育の充実度も高まり、楽しくなること間違いなし。
「好きなカラーのシェルターを使いたい」「もっと毎日の飼育を楽しみたい」と思った方は、こちらのカラーリクガメシェルターをぜひお買い求めください。
幅28cm×高さ14cm〜「ビッグリクガメシェルター」(L/XL/XXL)
爬虫類用品の国内メーカーである両爬工房では、超巨大なリクガメでも使える「ビッグリクガメシェルター」を開発・販売しています。
こちらの商品は、リクガメ専用として作られました。たとえば水を入れてケージ内を加湿する特別な機能を持っていたり、垂直な壁面で登りづらくして事故を防いだりできるのです。
これまで諦めていた大きなリクガメの飼い主さんも、こちらの’製品なら使えるはず。大きくなった後でも、たまには隠れて休ませてあげたら喜んでくれるでしょう。
「大きくなったペットに隠れ家をあげたい」「成長に備えて、あらかじめ大きいものが欲しい」と思った方は、こちらのビッグリクガメシェルターをぜひお買い求めください。
この記事の大切なポイント
今回は「ヘルマンリクガメの湿度管理」について、プロの目線からご紹介しました。最後に、忘れないようにこの記事の大切なポイントを振り返りましょう。
- ヘルマンリクガメの飼育は、やや乾燥気味の環境に
- 適正な湿度は40〜60%だから、比較的調整しやすい
- 加湿しすぎによるカビの発生や皮膚病の発症に注意
- 湿度管理には、霧吹き・加湿器・シェルターを活用
- 両爬工房なら加湿機能付きシェルターの種類が豊富
加湿機能付きのリクガメシェルターをお探しの方は、下記の記事がおすすめです。両爬工房の製品について、メリットやデメリット、お客様のレビューを紹介しています。
≫後ほど記載
≫後ほど記載
- 著者:小家山仁, 「カメの気持ちと飼い方がわかる本」, 主婦の友社, 平成29年6月30日
- 著者:吉田誠, 「新訂版 リクガメの飼い方」, エムピージェー, 2020年3月15日
- 著者:だっくす小峰, 監修:田向健一, 「いちばんよくわかる! カメの飼い方・暮らし方」, 成美堂, 2022年8月20日
- 著者:中井穂瑞領, 写真:川添宣広, 「DISCOVERY カメ大図鑑 潜頸亜目・曲頸亜目」, 誠文堂新光社, 2021年10月16日